「スローキャリア」とMBA


さて先日のエントリーで紹介した「スローキャリア」を読み終わったので、簡単に紹介させていただきます。


結論から言うと本のテーマである「スローキャリア」に私は非常に共感しました(正直言って意外でした)。ただ個人的に思うのは、この著者によると「スローキャリア」という考え方をエリートで上昇志向的なキャリアと対比して描いていますが、外資系に転職した私にとっては比較的当たり前のように思えてしまい、「スローキャリア」というまるで「特殊」なことであるかのようなネーミングにちょっと疑問を感じました。むしろこの本の「スローキャリア」というコンセプトが真の「キャリア」というコンセプトな気がします。もっとも私の前の会社を含む一般的な日本企業にとっては斬新なコンセプトなのかもしれません。


本の内容は著者自身の旧国鉄マッキンゼーでの経験も交えながら学者らしく非常に体系的にまとまっていて、読みやすいですし、自分のキャリアについて考えるとてもよいきっかけになると思います。書名に惑わされず、あらゆる「キャリア」志向の人に読んでもらいたいと思います。


スローキャリア

スローキャリア


さて、ではMBAについてどういうことが書かれていたか、引用させていただき紹介します。

次にMBAやその他のビジネススクール、プロフェショナルスクール、あるいは専門大学院などの学位取得の意味を考えて見たい。

[中略]

ひとつにはそれらをキャリアチェンジのカタパルトであると考えることができるだろう。

[中略]

もうひとつはそれによって経営視点の疑似体験ができる。特に大きな組織に居ると、わかいうちは経営者の視点で仕事をする機会ということがなかなかないはずだ。

[中略]

経営的な仕事をした人が、あらためて経営を体系的、包括的に学びなおしたいときにもMBAビジネススクールは役立つ。

[中略]

このようにMBAビジネススクール、プロフェッショナルスクールというのは、短期的に結果を出したい上昇志向の人ばかりでなく、自分らしいキャリアを作りたいというスローキャリア志向の人にとっても十分使い勝手があるのである。

ということで、著者の分類では私も「スローキャリア」ということになりますかね。そういえば疑似体験のことについては以前私もこんなエントリーで触れていたことを思い出しました。やはりMBAについて一般的な考え方のようですね。


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